KADOKAWA のComicWalker・ニコニコ静画・pixivコミックで連載していた
『梨花の下で 李白・杜甫物語』の単行本が、7月26日発売となりました!
舞台は中国唐代、玄宗皇帝が君臨していた頃。
のちに詩仙・詩聖と並び称される李白・杜甫と、
その時代に居合わせた阿倍仲麻呂たちの物語です。
第一章は主役が阿倍仲麻呂/相方に李白
第二章は主役が李白/相方に杜甫
第三章は主役が杜甫/少し仲麻呂 …と、
章ごとに主役が交代していく構成になっています。
既に「あ、もしかして」と思われている方も
いらっしゃることと思いますが
楊貴妃や安禄山も登場します。
王維も(ちらっとですが)出てきますョ。
本の内容は、帯の文章にある
「唐代最盛期、天才たちの出会いが普及の名作を生んだ」
「何を受け継ぎ、何を伝え、詩人たちは歴史に名を刻んだのか」
(文章:担当関口さん)
という言葉への答えを、全て詰め込んだものとなっています。
例の如く、今回も中身がパンパンになりました。
少しでもお楽しみ頂けましたら幸いです。
*Special Thanks*
今回もたくさんの方に支えて頂き
こうして単行本を出すことが出来ました。
万全のサポート&とんでもない仕事力で、
最後まで伴走して下さった担当編集・関口さま。
今回もしびれるほどにカッコ良い装丁をして下さった
デザイナーの浜崎正隆(ナルティス)さま。
連載をさせて下さったKADOKAWA&中経出版の皆様。
製版担当の方々。水墨画の件ではお手数をおかけしました。
そして製作・流通・販売に関わり、お力添え下さっている
全ての皆様に心より感謝申し上げます。
ここから下は、ネタバレも含みますので
単行本をご覧になったあとに
読まれることをオススメします。
今回の連載&単行本でも
たくさんの新しいことに挑戦させて頂きました。
挑戦1:主人公をリレー形式にする
先ほども描いたとおり、この物語は
第一章は主役が阿倍仲麻呂/相方に李白
第二章は主役が李白/相方に杜甫
第三章は主役が杜甫/少し仲麻呂 …と、
章ごとに主役が交代していく構成になっています。
主人公を変えていくことで、
外からは見えなかったその人の本音の部分と
相方になる人物の魅力が描けるという良さを実感しました。
ただ、この方面に詳しい方の中には、
「杜甫と仲麻呂の間に、交流ってあったの?」と
疑問に思われる方がいらっしゃるかもしれません。
仲麻呂と李白、李白と杜甫の間に交流があったことは
記録にも明かですが、杜甫と仲麻呂の交流があったことを
明確に示すものは残っていません。
ですが、三人の年表を丁寧に書き並べていった時に
数年の間、同時期に仲麻呂と杜甫が長安にいたことが
確認出来たんですね。
そして、それぞれの状況を考えた時に、
こんな形での出会いなら、あっても不自然では無いなと
思い至り、この流れになりました。
「もしかしたら、こうだったかも…」な
杜甫と仲麻呂の関係を、どうぞお楽しみ下さい。
挑戦2:漫画の中に「水墨画」を埋め込む
この物語の大事な要素である「詩」を表現する際に、
どうしてもやってみたかった事です。
アナログで描いた水墨画をスキャンして、
デジタル原稿に合成するという形で作成しました。
印刷に出やすいよう気は配ったつもりですが、
製版担当の方にかなりお手数をおかけしたようです…。
すみません!でも、ありがとうございます!!
お陰様でものすごく良い画面になりました。
読者さんにもお楽しみ頂けたら幸いです。
阿倍仲麻呂という天才はもとより
李白・杜甫という中国史上最大の詩人たちを描くというのは
実に遙かなる作業でした。
情報量も感情量も、質量も全てがとんでもないですね…。
ボコボコにはなりましたが、描きながらいろんなことを
勉強させて頂きました。
お三方のお心に、少しでも叶う仕上がりになっていると
いいなとも思っております。
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